年始から3頭、犬の子宮蓄膿症の症例が来院されております。
犬の子宮蓄膿症の多くは、発情後1~2ヶ月で発症することが多く、子宮の中にバイキンが入って膿を貯める状態になります。原因は排卵後の持続的な黄体ホルモンの分泌にあります。
多飲多尿、元気食欲の消失などが認められて、開放性の場合は陰部より膿が出てきます。閉鎖性の場合は膿が認められないので発見が遅れる場合があります。
3頭とも状態が悪く、貧血や血小板減少が認められました。
2頭を内科療法、1頭は外科による治療を行いました。
内科療法うち、1頭は残念ながら救命できませんでした。
内科療法は海外からの輸入した薬などを使用します。
基本的に避妊手術による予防が可能ですが、卵巣を取り残した場合には発症することがあります。
自分自身の手術では経験がないのですが、子宮蓄膿症の手術をした子がまた出血したとのことで来院されたことがあり、関東から帰省(?)中だったことからかかりつけへ受診をお薦めしたところ、
卵巣の取り残しがあり、子宮を切除した残りに再度蓄膿したとの連絡がありました。
繁殖をしない場合は避妊手術により(卵巣をとりのこさない)発症を防ぐことが出来ます。
発情前~2回までの発情であれば乳腺腫瘍の発生率も低下させることが出来ます。
避妊していない場合、発情の周期などを把握して、受診時に報告していただけるととても参考になりますのでぜひ記録をしていて下さい。
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新たに子宮蓄膿症の症例が来院されました。貧血(通常の半分)しております。
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新たな症例が来院されています。