つい先日まで今シーズン(寒くなってから)初の尿道結石による尿道閉塞のオス猫が来院されました。
多分、排尿できなくなって1日位のなのでしょうが、触診では膀胱が大きくカチカチでした。
こういう症例はたいてい尿道閉塞を解除しても排尿できないことが多いです。
なので尿道カテーテル留置をして1週間の処置となります。
でこの猫は一番多い燐酸アンモニウムマグネシウムという結石で溶解可能な結石でした。
当院ではほとんどこれです。
が、血尿が治らないという猫をレントゲンと超音波で検査した所大きな結石が認められ、
大きいので膀胱切開による摘出になりました。
バラの花のような形で痛そうです。
横から。
これは結石の分析で100%シュウ酸カルシウムでした。
残念ながら溶けませんので手術で正解です。
ただし、猫でこの結石は昔はあんまり見なかったんです。
でも最近は膀胱結石の半分はこれだそうです。
その原因は正確には不明ですが、多分市販の結石対応と書かれたフードにあるのではないかとおもっています。
燐酸アンモニウムカルシム結石は酸性尿では溶解します。なので尿酸化剤を入れれば溶けます。
ただし、酸性が強すぎるとこのシュウ酸カルシウムが形成されやすくなります。
燐酸アンモニウムマグネシウムが出てるから療法食にしてください。とおすすめすると価格が高いので市販品にされる方が一定数の割合でいます。
その結果がシュウ酸カルシウム結石の増加につながっているのは多分間違っていないと思います。
また、市販品にしても燐酸アンモニウムマグネシウム結石が出てきている症例もいます。
なので市販品を私は一切信用していません。ネット通販やペットショップでで紹介されたものを買っていますという方もあまり信用していません。なぜか結晶成分が出続ける猫がいるからです。
定期的な尿検査と適切な療法食をおすすめしています。