避妊していない雌犬が大体中年~老令になり、発情後1~2ヶ月後に食欲、元気が減退してお水はいっぱい飲んでるなんて言う場合、大体子宮に膿が溜まっている病気のことが多いです。
排卵後、卵巣に黄体が出来て黄体ホルモンが分泌されます。妊娠していなければ黄体は退行して無くなるのですが妊娠もしていないのに黄体ホルモンが出続けるとこの病気になります。
最近は外国性の注射薬を輸入して内科的に対応することも多くなりまして、当院でも使用はしておりますが、データ通りに治っていない印象があります。
手術でも行けそうな状態でも外科、内科の選択肢を提示すると内科療法を選ぶ方が多くなりました。
子宮頚管が開放して膿が出ている場合治癒率92.6% 閉鎖性の場合66.7%との報告があります。
が、、、、開放性でも亡くなってしまう事があります。(色々な原因がありますが)
また、反応が悪いと治らないばかりか、全身の状態が悪化して手術出来ない状態になることも何度か経験しています。
また、内科で治ったとしてもやはり以降の発情での再発があります、その分年齢も高くなります。
また、その時に内科療法で治る保証はありません。
早期発見、早期手術がやはり第一選択だと思います。
それよりも良いのは、若い頃に避妊手術をしておく事です。
追記 2023/9/25
先日、他院で内科療法をしていたが、治らない、貧血があるのでオペが難しいと言うペットが来院しました。
貧血の症例は確かに困ります。なぜなら人間のように献血とか血液バンクがないからです。
当院でも供血犬(献血の犬)を募集をしていますが、応募はゼロです。
できる限り、出血しないように手術をして無事に終えましたが本当に輸血があればと言う事が多々あります。
追記 2024/02/12
初診のワンちゃんが来院されました。
重度の貧血で、流石にこれはちょっと手を出せませんでした。
プロサイトワンでHt 13.6%
測定エラーかと思いもう一度測りましたが、ほぼ同じです。
古典的なヘマトクリット管も回してみましたが、こちらは20%でした。
腹部の超音波、エコー画像。
串団子のように黒い部分が3つ連なったように見えますが、これが膿の溜まった子宮だと思われます。